学び効率が最大化するインプット大全
今回は「学びを結果に変えるアウトプット大全」と対の存在である
「学び効率が最大化するインプット大全」をご紹介したいと思います。
アウトプット大全ではインプット<アウトプットであると解説しましたが、だからといって質の低いインプットばかりしていてアウトプットしても効果が薄いと言えます。
そこで本書では「質の高いインプット」をどのようにすればいいのかを分かりやすく説明しておりますので、要点をかいつまんで解説していきますので最後までお付き合い頂ければ幸いです!
書籍情報
著者 | 樺沢紫苑 |
出版社 | サンクチュアリ出版 |
出版日 | 2019/8/3 |
ページ数 | 269 ページ |
目次 | ・CHAPTER1 アウトプットの基本法則 RULES ・CHAPTER1 インプットの基本法則 RULES ・CHAPTER2 科学的に記憶に残る本の読み方 READ ・CHAPTER3 学びの理解が深まる話の聞き方 LISTEN ・CHAPTER4 すべてを自己成長に変えるものの見方 WATCH ・CHAPTER5 最短で最大効率のインターネット活用術 INTERNET ・CHAPTER6 あらゆる能力を引き出す最強の学び方 LEARN ・CHAPTER7 インプット力を飛躍させる方法<応用編> ADVANCED |
著者略歴 | 精神科医、作家。1965年生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、累計40万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一ア ウトプットする精神科医」として活動している。著書は30冊。『読んだら忘れない読書術(サンマーク出版)』は15万部、『学びを結果に変えるアウトプット大全(サンクチュアリ出版)』は40万部のベストセラーとなっている。 公式ブログ:https://kabasawa3.com/blog/ 公式メルマガ:https://kabasawa3.com/blog/melmaga |
このような方にオススメ!
「既にアウトプット大全を読まれた方」
冒頭でもお伝えした通り、本書は学びを結果に変えるアウトプット大全と対をなす本となりますので、既にアウトプット大全を読まれている方はある程度のインプットができている状態で読み進めることができます。
ですが、アウトプット大全を読んでいなくても、本書からスタートし、次にアウトプット大全を読んでも理解が深まりますので「鶏が先か、卵が先か」くらいの認識で問題ありません。
「得られた知識が右から左へ抜けていく方」
世の中にはたくさんの情報や知識が溢れていますが、得られた知識を活用しなければ必ず忘れてしまいます。なので、インプットだけをしてアウトプットをしなければ、そもそもインプット自体が無駄になってしまいますので、本書から知識が抜けていかないインプット術を学びましょう。
「自己成長を促したい方」
アウトプットに注力しても十分自己成長できますが、さらに自己成長の速度を上げていくためにはインプットにも工夫が必要です。ただなんとなくインプットするのではなく、「なぜ情報をインプットするのか」という目的意識を持った上で情報を取り入れると、アウトプットもしやすくなるので質の高いインプット術を学んでおいて損はないでしょう。
インプット→アウトプット→フィードバックのPDCAサイクルは忘れずに回し続けましょう!
この本をまとめると?
「アウトプット力を高めるためのインプット術を紹介する本」
多くの人は何かしらの情報を取り入れる「インプット」に力を入れがちですが、どれだけインプットをしてもアウトプットをしなければ、得られた情報のほとんどは知恵として吸収されずに無駄な情報となってしまいます。
インプットとアウトプットは表裏一体の関係ですが、効率よくアウトプットするにはインプットも効率的に吸収する必要がありますので、本書から効率的なインプット術を学びましょう。
得られる知恵は?
「インプットした情報を知恵へと昇華させるための知恵」
本書から質の高いインプット術を学べれば、アウトプットの質も高くなり、知識から知恵へと昇華しやすくなります。得られた知恵は自分の血肉となり、一生活用できる処世術となりますので、アウトプット大全で得られたアウトプット術と合わせて学んでいきましょう。
例えるなら、どれだけ筋トレして自分をいじめても、良質なタンパク質を摂らなければ筋肉はつかないというのと同様に、ジャンクなインプットをどれだけ取り入れても知恵は
身につかないということです。
知恵獲得レベル
(level.2)
本書はそもそもインプット術を紹介する本ですので、インプットしやすいように重要部分にマーカーが引かれていたり、程よく行間が空けられていたり、ほとんどのペー ジが図解されているのでとにかく読みやすいのが特徴です。
ですが、スラスラ読むのではなく、多少は考えながら読んでいくことが求められますので★2としました。
現代ではテレビや SNS、本などあらゆる媒体で情報を取り入れられる豊かな社会となりましたが、それ故に情報が大量に入ってくるので、頭の中で「どの情報が有用でどの情報が無用か」を選定しなければなりません。
多くの人が「とにかく情報を取り入れる!」と大量に吸収しようとしますが、それだと頭がオーバーロードを起こして思考停止となってしまいますので、「自分にとって必要な情報は何か?」ということを自問自答してからインプットするのが効率的です。
現代は情報過多になっているので、何を情報として取り入れるかという自問自答は生きていくうえで大切なことですね。
知恵を得るためのポイントは?
「アウトプット前提のインプットでなければ97%は忘れる」
本書では「1日に 20個ほどの情報を見ているとすれば、1週間で140 個もの情報に接触しますが、そのうち記憶に残っているのは、たったの4個。情報吸収率は、わずか3%です」と述べられていますが、どれだけインプットしても97%は記憶に定着しない無駄なインプットとなってしまいます。
このような無駄を回避するには「アウトプットを同時に行う」必要があります。インプットした情報を 2 週間で 3 回以上アウトプットすると記憶に定着するので、情報を取り入れたら必ず何かしらのアウトプット(詳しくはアウトプット大全で紹介しております)をしましょう(本書ではこのことを「AZ(アウトプット前提)」と呼んでいます)。
「方向性とゴールを設定する」
何か趣味を始めるときや勉強をするときに「とりあえずやってみるか!」と気合を入れて取り組む方が多いですが、始める前にちょっと立ち止まって目標を設定すると、インプットの効率が目標を設定しない時に比べて良くなります。
この目標設定で大切な要素が「方向性」「ゴール」「期限」となりますので、この3つを明確にした上で「何のためにインプットするのか」を自問自答してから取り組むようにしましょう。
「精緻化でインプットした知識を記憶に定着させる」
何かしらの情報を記憶するにはインプット⇔アウトプットを繰り返すことで覚えることが多いですが、このような方法を「維持リハーサル」といいます。試験勉強をする場合は、この方法を使うことで暗記することが多いですが、試験から日が経つにつれてだんだん記憶から抜け落ちていってしまうことは多くの人が経験したことがあると思います。
一方「精緻化リハーサル」では、得た情報をさらに情報を付加したり、統合して情報ボリュームを増やすことで記憶に定着させる方法であり、維持リハーサルよりも記憶に定着しやすくなります。せっかくインプットをするのであれば、精緻化を活用して、よりよいアウトプットをしましょう。
得られた情報をメモしてカテゴリーごとに分ける作業を行うと一つのテーマに対して精緻化しやすいのでオススメです!
アクションプラン
「本や映画の感想をノートに書く」
インプットの手段として本や映像が多いと思いますが、そこから得られた情報をそのままにしておけば十中八九忘れてしまいます。ですが、得られた情報を記憶にとどめるためにはアウトプットをしなければならないので、その際にオススメなのが「感想をノートに書く」ことです。
SNSに感想を載せてもOKですが、紙に書いたほうが記憶にとどまりやすいので、出来れば感じたことや学んだことをノート等の紙媒体に落とし込みましょう。気をつけなければならないのは、情報を得られた直後にアウトプットしないと、せっかく得た情報が頭から抜けていってしまいますので即アクションを心掛けましょう。
「人間観察をする」
これは視覚から人の行動パターン等を読み解く良い訓練になります。例えば、誰かと会話している時に話は聞いているけど目線が合わなかったり、スマホをいじってたり、相槌が薄い場合は「なぜ、この人は全然話を聞いてくれないのだろうか?」と考えてみます。
この情報から相手は「話がつまらないので聞いてない」「他のことに気を取られている」等の理由から話を聞いていないという仮説を立てることができます。
また、会話じゃなくても街中を歩いている人を見て「この人は奇抜なファッションをしているから目立たがり屋かもしれない」などの妄想をしても面白いです。ただし、あんまりジロジロ見ると変人扱いされますので気をつけましょう。
「行ったことのない場所に行ってみる」
人は本能から変化を好まない生物ではありますが、新天地というのは情報の宝庫と言えます。そんな新天地に行くと、今までの価値観が変わって新しい学びを得ることが多いので、積極的に新天地へ行くことにチャレンジしてみましょう。
最たる例が海外旅行ですが、「いきなり海外旅行はハードルが高い、、、」ということであれば、行ったことのない国内の地域でもOKです。それでもなかなか腰が上がらない場合は、近所でもいいので今まで行ったことのない街に行ってみるでも良いと思います。
そして、新天地に行って感じたことや失敗したこと等をアウトプットすると、良い思い出として語れるくらいにはなっていると思いますので、合わせてアウトプットすることも忘れないようにしましょう。
はじめて一人で海外旅行に行った時は全然コミュニケーションができなくて苦労しましたが、振り返れば良い経験になったなぁとしみじみ感じます。
まとめ
本書を読めば今まで垂れ流しとなっていた情報が人生を豊かにする知恵に変えることが
出来るでしょう。ですが、どちらかと言えばインプットよりもアウトプットのほうが重要なので、インプットした後は必ずアウトプットすることを心に刻んでおきましょう。
本記事では、知恵を得るために事前にインプットしておきたい情報のみを厳選して記載しておりますので、本書の知恵を得たいと思った方は実際に手にとって読んで頂ければ幸いです。