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はじめての人のための3000円投資生活

wataru

今回は「はじめての人のための3000円投資生活」をご紹介したいと思います。

昨今では資産運用ブームで投資信託や株式に投資する人が増えてきましたが、金融教育が浸透していなかった日本では、まだまだお金との付き合い方がうまく出来ていない方もいらっしゃいます。

この本は今までお金についてまったく考えてこなかった初心者向けの書籍となっているので、当記事をきかっけとしてお金とうまく付き合っていくための知恵を身につけましょう。

書籍情報

著者横山光昭
出版社株式会社アスコム
出版日2016/7/7
ページ数223 ページ
目次・PART1:さあ、3000円投資生活を始めよう
・PART2:3000円投資生活なら「貯金感覚」でコツコツ増える
・PART3:1万人の家計を見てきてわかった「投資の分かれ道」
・PART4:絶対にやってはいけない、投資とお金の使い方
著者略歴家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役社長。家計の借金・ローンを中心に、盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生をめざす。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを活かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまで10,000人以上の赤字家計を再生した。業界でも異端児的活動で、各種メディアの執筆・講演も多数。独自の貯金法などを紹介した『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『貯められる人は、超シンプル』(大和書房)など著書も多数。NHK、TBS、フジTVなどへの出演も多数で、雑誌、新聞、ラジオでも活動している。日本経済新聞社のWebサイトで連載を公開中。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる、庶民派ファイナンシャルプランナー。「株式会社マイエフピー」http://www.myfp.jp/

このような方にオススメ!

「お金がなかなか貯められない方」

お金を貯めるには【収入-支出=貯蓄】という原理原則にのっとり、収入を増やすか支出を減らすことが必要ですが、なかなかお金が貯められない方は収入≒支出という状態になっていることが多く、それ故にお金がなかなか貯まりません。貯蓄を増やすには収入を増やすか支出を減らす必要がありますが、この本では支出を減らすノウハウを紹介しているので参考になると思います。

「投資に抵抗を感じている方」

今まで金融教育をまったく受けておらず、投資に関しても触れてこなかった方は、投資=恐いという印象を抱いていることがあります。確かに投資をしなくても生きていくことは可能ですが、今後は労働の対価や公的年金としての収入だけでは先細っていく可能性が高く、貯蓄を金融資産に変換して「お金がお金を稼ぐ」状態を作り出していくことが求められます。ですが、投資にはほとんどのケースでリスクを背負う必要があるため、この本で簡易的にリスクについて学ぶことで、投資に対する恐怖感を拭うことができるでしょう。

「浪費癖がある方」

後ほど解説しますが、意識しているしていないに関わらず、全ての方は家計というお金の流れを持っていて、お金の流れを太くすることも出来れば、細くなってしまうこともあります。浪費癖がある方は、入ってきた収入を浪費に回してしまうことが多いため、このお金の流れが細くなりがちです。このお金の流れを太くしていくためには家計の状況を把握し、太くするための施策を打つ必要がありますので、本書からお金の流れを良くするためのコツを学びましょう。

MW(ムウ)
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お金の流れ(キャッシュフロー)を制せば人生好転することは間違いないです。お金の知識はあって困ることはありませんのでどんどん学んでいきましょう!

この本をまとめると?

「毎月コツコツと貯金と投資をするためのノウハウを紹介している本」

本書のテーマは非常にシンプルで、毎月の貯金の中から3,000円だけ投資信託(バランス型)の購入に回し、残りは貯蓄するといった内容です。月3,000円であれば、多くの方は無理なく投資できる金額であり、バランス型というリスク分散された投資信託を買うので、値動きでハラハラすることなく始められる投資法だと思います。投資の種銭や貯金をするためにはお金の流れを良くするのがファーストステップなので、そのお金の流れを良くするためのノウハウ(家計簿作成、お金の生活習慣等)を学んでから、徐々に投資額を増やしていく方法を本書は教えてくれます。

MW(ムウ)
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いきなり大きい投資を始めると失敗した時のダメージが大きくて再起不能に陥るので、今まで投資に触れてこなかった方は少しずつ慣れていくようにしましょう!

得られる知恵は?

「まとまったお金を形成するための知恵」

老後資金や教育資金、住宅資金と人生において、まとまった大きな資金が必要になることがありますが、いきなり大きなお金を用意するのは難しいので、将来必要になることを踏まえてコツコツと積み上げていくことが求められます。借り入れによってお金を形成することも出来ますが、個人の場合であれば、なるべく自己資本で対応していったほうがリスクを背負わずに済むので、毎月の収入の数割を貯蓄に回し、自身が許容できるリスクに見合った投資をすることで資産形成+資産運用を同時にこなすことができ、必要となる資金に到達できるでしょう。ただし、気をつけなければならないのは、資産運用においてリスクが高ければ高いほど早い段階で必要となる資金に到達できる可能性がありますが、逆に損失の額も大きくなるというリスクは表裏一体の関係なので、「いつ」の時点で「いくら」必要なのかをライフプランで考えておくことをお勧めします。

MW(ムウ)
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将来にまとまったお金がどのくらい必要になるかは人それぞれ異なるので、自身の生活スタイルから必要額を見積もり、必要額を形成するにはどのくらいのリターンが必要でどのくらいの期間を要するのかを考えましょう。この作業が面倒と感じるのであればFPに相談するのもアリです!

知恵獲得レベル

(level.1)

資産運用や資産形成の本は世の中にたくさんありますが、この本はお金に関しては初心者の方向けに書かれているため、事前インプット無しでもかなり読みやすい部類と言えます。逆に、少しでもお金に関して勉強しているマネーリテラシーのある方からしたら「こんなの常識」と感じる可能性があるため、★1とさせて頂きました。

知恵を得るためのポイントは?

「【消・浪・投】のバランスを見直し、コツコツ蓄財する」

家計における支出は「住居費」「水道光熱費」「交通費」「交際費」「食費」など多岐にわたりますが、貯金を増やしていくためには、まず自分が毎月どのくらいの支出をしているのかを把握する必要があります。この「支出の見える化」をするためには家計簿を記録することが必須ですが、家計簿を記録して毎月の支出の内訳が把握できたら、次にその支出の内訳を「消費」「浪費」「投資」に分類します。「消費」は生活する上で必要な支出で、「浪費」は生活する上では必要のない支出、「投資」は生活する上では必要ないが、将来の収入アップに繋げるための支出です。これらの3区分のバランスを見直すことで、無駄な支出を減らすことができ、地道に貯金が増えていくという土台が出来上がります。ちなみに、本書では「消費70%・浪費5%・投資25%」を推奨していますが、徐々に投資の割合を増やしていくのがオススメです。

「少額で投資を始めてみる」

投資がなかなか始められない方が陥っている先入観が、「時価が下がって評価損失になった時に耐えられない」「まとまったお金がないと投資できない」「投資を始めるのが面倒」というのが挙げられます。確かに、株式や投資信託等の金融商品は日常的に売買がされているので、刻一刻と時価が変動します。そういった時価の変動に耐えられないという感情は理解できますが、投資信託については100円から始められる証券会社もあるので、まずは少額から始めてみるのがオススメです(株式は100株が1単元となっていることが多いので、銘柄によってはまとまったお金が必要)。同時に時価が上下に激しく変動するのが嫌な方は、比較的リスクが低い「バランス型」「債券型」から始めてみるのがよろしいでしょう。

「悪い儲け話に乗らないようにお金を守る」

日本人は昔から「お金の話をすること=タブー」といった文化があります(おそらく、明治以前の士農工商制度における武士がお金稼ぎを嫌ったことに由来している)が、同時に金銭詐欺も頻発してきた背景があります。誰もが詐欺師からお金を盗まれないように日常的に気をつけていると思いますが、詐欺師はうまくカモフラージュして日常に溶け込んでいるので、見た目や肩書だけでは見分けがつきません。そのような詐欺師はあらゆる手段を用いて信用を得てから大金を頂くことが常套手段なので、「美味い話には裏がある」と疑う習慣をつけなければいけません。そして一番気をつけなければならないのは、誰もが知っているであろう企業であっても合法的に詐欺紛いのことをおこなうので、たとえ有名な企業からの提案であっても、鵜呑みにしないようにしましょう。

MW(ムウ)
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お金のマネジメントは、お金を増やすためのオフェンスとお金を守るディフェンスの両方が必要です。これらはどちらかに偏りすぎてもよろしくないのでバランスよく管理するようにしましょう!

アクションプラン

「家計簿を作って管理する」

先程も述べたとおり、貯蓄するためにはお金の流れを良くするためには家計簿の作成が必須です。会社員の方で副業や投資を行っていなければ、収入は給与のみなのでお金の流れの入口は給与明細さえチェックしていればOKですが、支出に関しては記録を取らない限り、日々の購入品や購入金額を全て頭で記憶しているというのは一般的には不可能なので、都度都度記録を取る必要があります。ですが、多くの方が家計簿作成において挫折してしまう原因が「面倒くさい」ことが一番でしょう。毎回手書きやエクセルなどのソフトウェアで記録するのは大変ですので、オススメは「家計簿アプリ」を活用することです。キャッシュレス決済であれば自動的に支出明細が記録され、管理が非常に楽になりますので、月末に記録された支出を確認し、「消・浪・投」に分類すると良いでしょう。

「新NISAのつみたて投資枠で投資する」

2024年1月から始まった非課税制度である「新NISA制度」ですが、コツコツと投資信託を毎月積み立てて行く場合は利用しないという理由がないので、証券口座を開設する際は同時にNISA口座も開設するようにしましょう。新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがありますが、毎月コツコツと投資していくだけであれば「つみたて投資枠」だけ利用すれば十分なので、購入する投資信託の銘柄を決めたら、あとは口座にお金を入金し、積立設定をするだけなので、手間もほとんどかかりません。新NISA口座で運用する場合は1,800万円まで積み立てることが可能なので、10年以上かけて投資する「長期運用」前提でコツコツ積み立てていきましょう。※新NISA制度自体の解説は割愛します。

「資金計画を立てる」

貯蓄において大事なのが「何のためにまとまったお金が必要なのか」を予め考えておくことです。特に考えなくても積み立て自体は可能ですが、何か購入したくなった場合に目的意識が低いとあっという間に貯金額が目減りしていき、もっと悪くなると、今まで積み立ててきたお金を崩してしまうことにもなりかねないので、事前にブレない軸である目的を積み立て前に立てておくことをオススメします。この目的が立てられた後に作るのが「資金計画表」です。一般的には「キャッシュフロー表」と呼ばれますが、例えば、10年語を目安にマイホームを建てたいと考えた場合に、マイホームの規模から大体の金額を見積り(将来価値を考慮する)、住宅ローンを借りることを前提とした時の頭金はどのくらい用意するのかを決め、頭金を形成するのに毎月いくら積み立てる必要があるのかといったことをキャッシュフローに落とし込んでいきます。キャッシュフロー表は誰でも作成できますが、素人が作成するとなると結構大変なので、ファイナンシャルプランナーに相談して作成を代行してもらうのがオススメです。

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家計簿を作成して運用していくことはとりあえず始めると挫折することが多いため、運用する前に目的意識を刷り込んでおくとモチベーションが続きやすくなります。

まとめ

本書は投資を今までにしたことがない人向けに書かれた本ですので、今まで投資に億劫だった方にとっては参考となる知識が多く記載されています。ですが、読んだだけで実際に投資をしなければいつまで経っても投資生活をスタートすることができないので、まずは試しに少しでも貯蓄を投資に回していくとよいでしょう。それで慣れてきたら、今度は他の金融商品にチャレンジしてみたり、収入を増やすために転職したり、副業をしたり、起業したりとステップが上がっていくようになるので、当記事を読んだ多くの方が投資を始めるきっかけになれば嬉しく思います。

本記事では、知恵を得るために事前にインプットしておきたい情報のみを厳選して記載しておりますので、本書の知恵を得たいと思った方は実際に手にとって読んで頂ければ 幸いです。

プロフィール
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読書ブロガー
知恵のポータル管理人であり、書籍から知恵を得るために日頃から学び続けている知恵の探求者。知恵のポータルでは、日常でなかなか書籍を読めないという方でも短時間で理解しやすいように、情報を必要最小限にまとめて紹介しています。主にファイナンス・ビジネス・マインド・タイム・ヘルス・リレーション・アビリティ・リベラルアーツの8つを分野をメインに人生を豊かにするための知恵を提供します。
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